人は死んだらすぐ葬儀?

人が亡くなると、たいていの人は慌てます。それはそうですよね。
「死」というものはありふれていますが、身近な人の 「死」というものは、めったにない非日常の出来事ですから。
そのため、どうしたらいい!?早くなんとかしなきゃダメじゃないの?!と慌ててしまうのです。

しかし、先に述べましたように、人は死後24時間経過しなければ火葬できません。
つまり、初めの1日(24時間)は、慌てても仕方ないということでもあります。

まず、この死後に遺族を慌てさせる要因に、亡くなった場所があげられると思います。
かつては自宅での死がほとんどでしたが、今や、80%近くの人が余生を病院で過ごし、 そこで息を引き取っていると言われています。

そして、病院というものは、患者さん(=生者)を相手にするところで、死者であるかつての患者さんは、 もう、お客さんではありません。

ですから、病院としては一刻も早く病室、そして、霊安室を空けてもらいたいのです。
そのため、看護師さんの対応も、遺族をせかすような感じになります。

そうすると、遺族としては、何だかこれは早くなんとかしなければ、という気持ちになり、どうしてもその後の段取りも 慌ただしくなってしまうのです。

せめて、病院で、半日くらいは「慌てずに最後のお別れをしてくださいね」と猶予を与えてくれれば、その後の葬儀も 慌てずに出来そうな気がするのですが…。
※その辺は、病院の事情もあるでしょうから(もちろん、ウラの事情もですが…)。


【30分ほどで葬儀社の車が到着し、車から出てきた女性が守に「もがり典礼 葬祭部 川島まどか」 と書かれた名刺を差し出した。
まだあどけなさの残る色白の丸顔で、「精一杯お手伝いさせていただきます!」と頭を下げる。】

この本は、「川島まどか」という女の子が主人公となり、物語形式で進んでいきます。
あどけない童顔のまどかちゃんは、普通にしていたら、中学生か高校生にでも間違えられそうな幼い感じの子です。
しかし、葬儀のことになると、めっぽう詳しく、なんでもこなしちゃう葬儀のプロ中のプロです。
ちょいちょいお酒を飲むシーンが出てくるのは、おそらく著者の奥山晶子さんも相当なお酒好きで、 それも含めて、ご本人を「川島まどか」に投影しているのでしょうね。

病院で亡くなった場合、とりあえず、病院から自宅へ遺体を搬送しなければいけません。
自分たちで遺体を運ぶことも可能ですが、葬儀屋さんに頼むのが通常でしょう。

というわけで、川島さんが遺族の前に現れたというわけです。

とりあえず、葬儀屋さんに頼んで、遺体は病院から連れて帰ってこられた。
今度は早く葬儀の手配を…と、遺族が慌てふためいているところで、川島さんが言います。

【「あの……。1つだけ、ご提案があります。今日1日は、何も決めず、何もしない、というのはどうでしょうか」】

という大胆な提案をします。

とりあえず1日待つ


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